外部研修

アメニティーフォーラム28 参加レポート②

今年も滋賀県のびわ湖大津プリンスホテルにおいて開催されたアメニティーフォーラム。
今回は理事長おかべが登壇したセッション
精神障害のある人と地域で暮らす~精神科医療のカタチを探る~
についてご紹介させていただきます!

~ 概要 ~   各登壇者のお話を簡単にご紹介

小林 秀幸 氏 (厚生労働省精神・障害保健課長)

小林 氏
小林 氏

これまでの国の政策を説明。
その中でも特に、「にも包括」や「医療構想」について最新の情報を提供し、
政策の方針などを網羅的に示唆した。

桐原 尚之 氏(全国「精神病」者集団)

「精神保健福祉法体制の解体に向けて」という大胆なタイトルで
当事者の立場から社会モデルの重要性を説明。
また、精神医療を一般医療から分離する制度を解消する等
勧告を受けたことを踏まえ、
全国「精神病」者集団のロードマップ上において
2030年までに精神保健福祉法を撤廃することを示した。

桐原 氏
桐原 氏

彼谷 哲志 氏(特定非営利活動法人あすなろ)

彼谷 氏
彼谷 氏

【当事者の立場からこの20年間を振り返る】
・「リカバリー」や「ピアサポート」の文言が
 各種論文等に取り扱われる件数が大きく伸びた
・精神保健の業界では当事者の視点や価値観に
 関心が寄せられるようになってきた
・精神医療ユーザーに対する偏見が減少してきている
【今後の精神医療に期待すること】
・隔離・身体拘束をゼロに
・不幸な出会い(強制入院)の解消
・通院においても多職種でのケアを
・精神科医療機関にピアサポーターを配置

田村 綾子 氏(日本精神保健福祉士協会会長・聖学院大学副学長)

精神保健福祉士(ソーシャルワーカー)の成り立ちを説明しつつ、
社会から求められる役割が拡充していることを紹介。
法改正の重要ポイントである「精神障害者の権利の擁護を図ること」
「入院者訪問支援事業の創設」
「虐待防止の措置が定められたこと」を取り上げ、
ご本人の声を中心とした医療が重要であることを指摘した。

田村 氏
田村 氏

櫻木 章司 氏(日本精神科病院協会常務理事)

精神科病院の管理者であり
各種検討会に精神科病院協会から参画している立場から、
これまでの政策を振り返りつつ
精神科医療機関に求められている機能について丁寧に説明した。

本セッションは登壇者が5名と多く、
進行としてどのような切り口で進めたら良いか悩んでいました。
考えているうちに、精神保健福祉法が存在することを
当たり前に捉えていた自分に気付いたんです。
そこで、現在の『精神科医療』の特別な位置を、
あくまで『医療』という正しい位置に戻していくことが
重要ではないかという思いに至りました。

理事長おかべ
理事長おかべ

~精神科医療のカタチとは?~

これまで精神科医療を特別視してきたことから、
医療の提供だけでなく、
保護までも精神科病院に求めてきてしまいました。
また、社会的な課題があるということで退院できない方を生んでしまいました。
その責任を精神科病院に任せてきた反省すべき歴史があると考えています。

精神科医療を利用する国民は20年前の約300万人から
2倍の600万人を超えており、
これは全人口の約5%にあたり、
約20人に1人が精神科医療を受けていることになります。

これだけ精神科医療やメンタルヘルスの重要性が増している中で、
国民が安心して精神科医療を受けられるように
医療導入や隔離・拘束の課題については、
ユーザーの意見に基づいて改善が図られるべきですが、
並行して精神科医療に従事する方々が安心して医療を提供できる
体制の確保を図っていくことも重要であると考えさせられたセッションでした。
 令和6年5月から「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」が行われ、
私も参画させていただいておりますが、
これからの精神保健医療福祉のあり方について
しっかり発言していきたいと
気持ちを新たにしたところです。

社会福祉法人 ソラティオ
岡部 正文

本ブログでは詳しくご紹介できませんでしたが、
精神科医療のカタチを考えるセッション、いかがでしたでしょうか。

今回の登壇者を始め多くの方が尽力され、
「精神科医療」を特別なカタチとせず、
「精神科医療」も「医療」なのだという整理がなされ、
時代が移っていくゆく様が見えた気がします。
皆さんはどのように感じられましたか?

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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