今回のブログでは、理事長のおかべが登壇した「アメニティーフォーラム27」のプログラム、「今年の報酬改定から考える」についてご紹介いたします。
おかべの原稿を基に渡邊が脚色してのご紹介です。
「今年の報酬改定から考える」・・・地域での暮らしが進むでしょうか・・・
登壇者名
(写真の左からご紹介しています)
- 辺見聡氏(厚生労働省障害保険福祉部長)
- 進行:岩上洋一氏(地域で暮らそうネットワーク代表)
- 福岡たかまろ氏(自民党 参議院政策審議会長)
- 岡部正文(社会福祉法人ソラティオ理事長)
- 今村登氏(STEPえどがわ理事長)
本セッションの狙い
- 地域移行を推進していくための方策
- 障害福祉人材の確保策
- 自己負担も含めた、財源の在り方
冒頭で辺見部長から今回の報酬改定のポイントと、地域移行の推進のために改めて地域生活支援拠点の機能と役割について整理を行った旨の説明がありました。
辺見部長の想いが伝わってくるお話でした。
1. 地域移行を推進していくための方策
今回の報酬改定の大きなポイントの1つは、情報連携等を担う拠点コーディネーターの配置を評価する加算が新設されたことです。
拠点コーディネーターの位置づけがより明確になりましたね。
新設された加算の算定要件には以下の条件が含まれています。
- 相談支援系の全事業(一般相談、特定相談、障害児相談、自立生活援助)を一体的に運営している
- 機能強化型基本報酬(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定している
僕はこれを「スペシャルな相談支援事業所」って呼んでるんだけどね。
理事長おかべは、独自の造語である「スペシャルな相談支援事業所」というワードを流行らせようとしているのかもしれません。
最近おかべから、ちょいちょい聞くワードです。
地域移行の促進は、この拠点コーディネーターの活動にかかってるよね!
2. 障害福祉人材の確保策
相談支援事業所の場合、相談支援専門員の確保が必須です。
ご存知ではない方もいらっしゃると思いますので、相談支援専門員について少し説明させていただきますね。
相談支援専門員になるためには実務経験要件を満たし、都道府県が実施している相談支援専門員従事者研修を受講、修了している必要があります。
この研修、初任者研修でなんと42.5時間もあるんです。ハードですよね。
そしてさらに、5年ごとに現任研修を修了しなくてはいけません。
このように、相談支援専門員として活躍するには実務経験年数と研修修了というハードルがあり、相談支援業界では人材不足が深刻化しています。
そこで今回の報酬改定では、相談支援専門員資格を持たない職員でも、以下の条件をクリアすれば「相談支援員」として位置づけ、サービス等利用計画の原案の作成及びモニタリングの業務を行うことができるようになりました。
- 主任相談支援専門員を配置し、職員に対して指導助言の実施体制が取れている事業所
- 常勤専従であり、社会福祉士または精神保健福祉士の資格を保有している職員であること
このことにより実務経験年数・研修修了というハードルが低くなり、例えば新卒者でも相談支援専門員としての育成が可能となったんです。
Z世代の目線に合わせた職場作りが大事になってきますね。
例えば、コスパやタイパを重視した取り組みが有効じゃないでしょうか。
ここで、アメニティーに参加している職員からヒアリングした情報が活躍しました!
「主任相談支援専門員」って?
先ほど初任者研修、現任研修の話がありましたが、現任研修の先には「主任研修」があります。
この主任研修を修了すると「主任相談支援専門員」になれるわけですが、「主任相談支援専門員」とは、地域づくり、人材育成、困難事例への対応など地域の中核的な役割を担う専門職であり、計画相談以外にも高いスキルが求められます。
地域におけるリーダー的な役割ですね。
このような役割を担う主任相談支援専門員が事業所に配置され人材育成することによって、これまでは担い手として対象とならなかった層にも求人の幅が拡がりました。
3. 自己負担も含めた、財源の在り方
今回の報酬改定では、補足給付の基準費用額の見直しも行われました。
入所施設に入られている方の手元に残る金額が増えることになりましたが、一方で、在宅生活の方には補足給付が無いため、入所施設を退所すると「お金が減ってしまう」と心配する方もいらっしゃるのではないかといった話も出ました。
おかべの感想
今回のアメニティーでは、数年ぶりに登壇させていただきました。
報酬改定については、経営者として関心が高い部分です。
今回の報酬改定で様々な見直しがなされましたが、相談支援事業については平成30年の大改正以来のかなり大胆な改正だったと思います。
相談支援事業所の質を高めるための改正であることはもとより、持続可能な事業を意識して人材確保にも切り込んでいただいた結果です。
主任相談支援専門員が真に主任としての役割を果たすことが求められていると感じました。
5年前から、相談支援の質向上を図るためには、スペシャル相談支援事業所を作り、そのような体制を整備している事業所を評価すべきだと言い続けてきました。
さらにその5年前には、相談支援専門員が枯渇することを想定して准相談支援専門員を創生するよう要望してきました。
このように制度が整うまでは相応の時間がかかりますが、制度化された後にしっかり活用することが大切です。
報酬のアップをしっかり働いて下さる職員さんの給与にも反映して行きたいと思います。
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